| 傷病名 | うつ病 |
| 年金の種類 | 障害基礎年金 |
| 等級 | 2級 |
| 請求方法 | 事後重症請求 |
| 年齢・性別 | 50歳・女性 |
A子さんは、PSW(精神保健福祉士)の支援を受けて、障害基礎年金の裁定請求、再裁定請求を行いましたが、それぞれ不支給の処分を受けました。「提出された診断書を審査した結果、障害基礎年金が支給される程度とまでは認められませんでした。」と、具体的な不支給理由の記載はありません。都道府県事務センター(障害年金を審査する部署)で入手した再裁定請求時の提出書類一式、中でも診断書の精査を行なったところ、2級の認定基準を満たすと思われる記載内容でした。なぜ不支給処分とされたのでしょうか。
A子さんは、初診以降転医を繰り返して、10数軒の受診履歴があります。診断書の治療歴に記載されている病名は、現医を除くすべての医療機関で神経症とされています。また、審査側が書き添えたと思われる、「うつ病は現医のみ」とのコメントが妙に気になります。認定要領には、「神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として認定の対象にはならない。ただし、臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。」と記載されています。幸いなことに、A子さんは、受診したすべての医療機関の「お薬手帳」をお持ちでした。神経症とされる初診のA病院では、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬が処方され、その後転医した複数の医療機関でも、抗不安薬、抗うつ薬が処方されていました。
また、数年前に交付された精神障害者保健福祉手帳の診断書には、病状・病態像として、抑うつ状態で、憂うつ気分、自傷行為、強度の不安・恐怖感等が記載されていました。病名は神経症となっていますが、精神病の病態を示していることが窺われます。当然、「お薬手帳」、「診断書(精神障害者福祉手帳用)」を、精神病の病態を示していることの参考資料として審査請求書に添付しました。客観的で信頼性のある資料は大変有用です。大切に保存しておきましょう。
平成27年11月、⚪︎⚪︎厚生局社会保険審査官に審査請求を提出し、平成28年2月、「障害基礎年金を支給しないとした処分は、これを取り消す。」との、決定書謄本の送付がありました。「総合的に判断すると、請求人の裁定請求日における当該障害の状態は、国年令別表に定める障害等級2級の障害の程度である「精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの」に該当すると判断する。そうすると、原処分は妥当ではなく、これを取り消さなければならない。」と、取り消し理由の具体的な記載もなく釈然としませんが、先ずは、審査請求が認められたことで了としました。
以上のように、A子さんは、障害基礎年金の裁定請求と再裁定請求を行いましたが、2回とも不支給の処分を受けました。初回の裁定請求時に添付した診断書を精査してみると、2級の認定基準を満たすと思われる記載内容となっています。診断書を取り直して再裁定請求をするのではなく、最初から審査請求の選択が必要なケースだったのではないでしょうか。6か月ほど早く障害基礎年金が受給できたかもしれません。不支給の処分のケースでは、審査請求を行うのか、あるいは、再裁定請求を行うのか適切な判断が求められます。是非、障害年金を専門としている社会保険労務士へご相談頂きたいと思います。
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