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傷病名下肢障害
年金の種類障害厚生年金
等級2級
請求方法障害認定日請求(遡及請求)
年齢・性別- 男性

 その日、年金相談に来られたNさんは、右足を引きずりながら杖を突いておられました。そばで奥さんが心配そうにされています。

 一目で下肢に障害があるのが分かりますが、事情をお聞きすると、5年5か月ほど前に労災事故に遭ったということでした。そのときに障害厚生年金の請求をご自分でされたのですが、不支給になり、この日の相談会を知り、わざわざ遠いところを来ていただいたということでした。

 日常生活の様子などをお聞きした私は、何とかなるのではないかと思い、障害年金の請求業務を受託しました。

 後日、Nさんのご自宅を伺って詳しいことをお伺いしますと、厚生年金保険は、障害手当金相当との認定をしていたことが分かりました。一方、労災保険からはすでに、障害補償一時金が支払われていることも分かりました。つまり、労災保険から障害補償給付を受けているため、一時金である厚生年金の方は不支給になっていたのです。

 Nさんは賢明にも、当時の請求書の一件書類を持っておられましたが、その診断書を見ますと、ずいぶんいい加減な記載がされていました。とても当時の障害の状態を適正に判定しているとは思えないのです。もっとも、そのときの請求はNさんがご自分でされたため、本人が作成する申立書が適正を欠いていたことにも問題はあると思います。

 さて、当時の主治医は今はもうおられないため、私はとりあえず、いまの主治医に適正な診断書の記載をお願いしました。そして添付書類として、当時から現在までの状態をできるだけ詳細、正確に記載した申立書をつけて裁定請求をしたところ、障害認定日まで遡及して年金を支給するとの証書が届きました。Nさんは大変お喜びになりました。年金が支給されるようになったばかりか、何年もの過去の年金が一度に入ってくるのですから、その額も大きいのです。

 しかし、私はこの決定には不服がありました。実は、障害等級が3級だったのです。

 保険者が年金の支給を何年もさかのぼって認めたのは、当時障害手当金相当とした判断が間違っていたことに気づいたからです。そのことに私も不服はありません。しかしながら、今の状態は、私たち専門家から見れば、法令に照らして2級相当であることに間違いありません。

 そこで私は、Nさんに委任状をいただき、原処分のうち、認定日において3級であることには不服は無いが、請求日においては2級相当なので、請求日から障害等級を2級に改定するとの決定を求めて審査請求をしました。

 結果は、審査請求の趣旨どおりの決定でした。

 審査請求の趣旨は、通常「〇〇の原処分を取り消すとの決定を求める」ということですが、今回は処分の一部の取り消しを求めて容認された事例です。

障害基礎年金・障害厚生年金の「支給額」

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